知の共有化

知の共有化

Digital Transformation時代に対応した文化資産のデジタルアーカイブシステムの構築、知識インフラの構築、利用環境の高度化により、知識の一層の利活用の促進を目指す。

人工知能を活用した「未来の図書館」の実現形と構築に必要な知識・スキル【要約】

 人工知能を活用した「未来の図書館」の実現形と構築に必要な知識・スキル【要約】

 図書館サービスの将来方向として、出版物に限らず様々な情報機関が保有する文化情報資源を一元的に利活用できるようにして、新たな知識を創造する「知識インフラ」としての方向性を検討してきた。
 その方向性の実現に、メタデータの集約による単なる統合検索が可能な「知識インフラ」でなく、情報資源そのもの(画像データ、本文フルテキスト等)をビッグデータとして活用して、人工知能により知識化し、ファクトを取り出せる基盤としての「真の知識インフラ」の構築の実現を見通せる時代になった。
 「電子図書館」は、「真の知識インフラ」として、「情報の集合体としてのアーカイブ」に留まらず、「人工知能により知識化」され、利用者に対して「電子図書館」を「脳の外部記憶」として利用を可能にする実用化システムの構築も実現可能なところまで到達しつつある。
 そのような時代に、図書館を含めた文化情報資源の保有機関は、どんな業務・サービスに人工知能を活用すべきか、そのためにどんな知識とスキルを持つべきかを考察する。


人工知能(AI)による知の共有化の進展への期待 【要約】
1. はじめに
2. 本格的な人工知能の実用化を迎えて
2.1. 今まで
2.2. 今後
2.3. 人工知能の進展
2.4. 「未来の図書館を作るには」【長尾先生】の抜粋
2.5. 図書館関連が保有しているビッグデータとしての知的情報資源
3. 文化情報資源のナショナルアーカイブの方向性は
3.1. ビッグデータとしての知の共有化、人工知能が適用された知識インフラの構築
3.2. 今後
3.3. 文化情報資源のナショナルアーカイブの方向性
3.4. ナショナルアーカイブの各基盤の概念
4. そのような時代に図書館サービスの業務と、業務に従事する人材の資質とスキルは?
4.1. 人工知能と人間の能力と役割(一般論)
4.2. 図書館員の役割と資質
4.3. 図書館サービスの構築・運用に従事する人に必要な知識とスキルは?
5. サービス構築に当たって留意してほしいこと
5.1. 効率化、人はより創造的な業務へ
5.2. 保守的な組織にありがちな前例主義・横並び主義からの脱却
5.3. 与えられた権限には、実施の責任と義務を負っている
5.4. サービス提供者は利用者以上のITスキルを持つ
5.5. One of themの組織としての役割を考える。Give&Takeの協力関係を想定する
5.6. 外部の動き(特に商用サービス)を知る組織外の情報を組織内へ
5.7. 今後10年を見据える
5.8. 未来は自分が描き、自分で作る。
6. まとめ

文化情報資源を中核とした「知識インフラの構築と利活用」のサービスの方向性を見極めて、提供する機関の1つとしての図書館情報サービスの構築と提供を考えていくことが重要と考える。
 2040年代には、人工知能が意志や感情を持って人間を超える「シンギュラリティ―時代」が来ると言われて、また10年後にはどんな新しい技術が確立しているかわからないが、現時点での人工知能の実用化レベルでも、社会は大きく変革する。
 その社会の中での図書館サービスは、従来の延長線上での業務を行っていては、有益なサービスを提供する機関としての存立が危ぶまれる 。

 人工知能により、人の仕事が奪われるのではなく、より人間らしい仕事にシフトしていく。 仕事が奪われるとしたら、むしろ、人工知能を活用した省力化と新しいサービスに取り組まなかったために事業を継続できなくなる機関・組織であろう。